ご開業される先生のご相談を承ります。
今回は、シニアの活用についてです。
ご参考になれば幸いです。
皆様のクリニックで、求人、採用する際の基準は
どの様にされていますか。
人手不足時は、年齢層の幅を広げて見てください。
―シニア採用のメリット
業務内容について理解が出来る。
経験が豊富で、仕事上のミスがない。
周囲に気配りや、配慮出来る。
若いタッフと円滑な交流が出来る。
相手に対して礼節を重んじる。
責任感が強く、仕事に対して忠実である。
―理由について
概ね、長期間に一定の職場で勤務した人は、能力が高いです。
看護師職のように医療知識や、事務職で職場の経験が長い場合は
経験豊かで、知識があり業務について理解が出来ます。
また、人として家庭の子育て、親の介護も終わり、こころに余裕が生まれ
若いスタッフに対して温かいです。
上司には、忠実で、礼節を持ち立派な対応を心がけます。
従って、安心して仕事を任せることが出来ます。
―60代以上の就労経験者
上下関係の厳しい職場で、徹底された指導を受けている時代です。
もの、ことに対しては精通をしています。
例えば、仕事を始めるまでの準備、引き継ぎ、報告、手順、挨拶など
基本事項は完璧に遂行します。
また、上司に対して業務を行う上で経験から助けてくれます。
―少子化と就労年齢
生産人口年齢は、15歳〜65歳までを生産年齢を言います。
これは、就労可能な年齢の意味です。
1995年と比較した場合に、生産年齢の人口は
2021年は、29%減少して
2050年は、37%減少します。
このため今後は、3割〜4割の労働力の不足が生じることに
なります。
―定年のルールと雇用の仕方
一般的に企業の就労年齢は、60歳です。
従って、60歳まで雇用をされた後は、再度に就労を探します。
シニアの雇用形態は、正社員以外として約70%の人が
嘱託、契約社員、パート職として就労をします。
また、60歳以上の就労率は、82%
65歳以上の就労率は 60%と高いです。
労働力人口の中、10人に3割〜5割は、働くシニアになります。
雇用確保として、定年を65歳未満の場合は
65歳まで定年の引き上げか、継続雇用制度の導入をするか
定年廃止の据置きがあります。
―高齢者の定義と体力年齢
高齢者は、75歳以上を高齢者と呼びます。
この理由は、2002年と比較した場合に身体機能は、約10歳
若返りをしました。
65歳以上の歩行速度も年齢層の全てに、歩行速度が速くなり
10歳前後の体力的な若返りをしています。
これは、医療の進歩や教育水準の向上、栄養状態、国民皆保健制度など
複合的な要因で延伸したためです。
この様な点から、準高齢者として65歳〜74歳と定義する場合が
多くなりました。
従って、60歳で定年を迎えても高齢者には至らないのです。
この60歳以上の体力と経験のある年齢層の採用を
試みてください。
―若手スタッフとの差異
若手スタッフとの知識差は、2、3倍あり、仕事の於いて能力の高さを
発揮します。
職場経験が長く就労をしているシニアは、仕事に対しての意欲が高く
若手スタッフの参考になります。
人間関係も、親子ほど年齢差があり、若手スタッフの相談相手になります。
従って、医療の外来で、短時間に業務遂行を行う場合に、医療、事務的ミスが
避けられます。
かつ、指導や育成をする時間が少なく、現場に合わせた対応を柔軟に行います。
どの様な時も、責任感から、遅刻や、欠勤をする心配がなく、仕事に対して
取り組む姿は、真摯です。
―クリニックのメリット
働くシニアの採用はクリニックに、正社員ほどの人件費の負担がかからず
職場で経験を生かせ、今後の人材不足にとり、メリットになります。
また、上司に対しての対応をわきまえています。
このため、若手スタッフが職場の見本として見習うことが多くあります。
若手の採用に限定するのではなく、職場経験の長いシニアは判断能力が
高く的確な意見を言えます。
この様にシニアの応募が有れば、貴重な存在を見逃さないように
お願いします。
―雇用助成金の活用
プラスアルファとして、65歳以上の就労は、65歳超雇用推進助成金が
ハローワークから支給されます。
参考文献
J-Stage 肉体年齢
総務省 生産人口年齢
内閣府 労働人口
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/zenbun/s1_2_1.html#:~:text=男女別に就業状況を,%となっている%E3%80%82
厚生労働省 雇用する上でのルール
厚生労働省 雇用助成金
Ginza@133(組織) シニアの活用
Comments