マネジメントのご提案を行う
整形外科コンサルコムです。
今回は、医薬品についての見直しについてです。
ご参考になれば幸いです。
―薬価について
通常は、2年に1回、薬価改訂が行われます。
薬価は、新薬とそれ以外の薬剤で分類されます。
クリニックの医薬品の使用は、2兆円規模で、投薬を使用せざるを得ない状況です。
令和5年度以降は、今の予想販売額より1,3倍以上になるため薬価を
10%以上引き下げの予定です。
従って、納入価格が下がります。
―クリニックの場合
クリニックで、医薬品、医療材料、医薬衛生品に関して
一度は、見直しをしたことがありますか。
クリニック内で処方をしているのは、16%です。
整形外科は、特に足、腰の不自由な患者さんが通院をするために
薬局とクリニックは、2度手間になります。
従って、患者さんにとって院内処方は、有難いです。
―仕組み
薬価は、主に製造原価とメーカー粗利、卸粗利で、販売価格が決まります。
基本は、薬価と保険請求額が、同等になるように決めます。
この間の、メーカー、卸会社のマージンを仕切り価格と言います。
一般的に、メーカーの納入価格は、91%として、卸会社の仕切り価格は95%です。
しかしながら、翌年度の市場への普及の観点から見直しを図り、薬価改訂をして
6%程度は、割り戻しをします。
1 クリニックは、薬価改訂の後に薬剤の割り戻しを卸会社から
受けていますか。
―価格交渉について
200床以上の病院規模は、約45%が年単位で見直しを図っています。
病院の薬価について妥協率は、45%前後です。
一方で、クリニックは、薬価の妥協率は、50%です。
従って、薬剤を多く使用する規模の大きな病院でも、納入価格の交渉の機会や
見直しをする機会は少なく、クリニックの5割は、さほど納入価格に
シビアでないです。
2 クリニックで開院後に納入して、あるいわ、新薬を納入したままの
高い価格で納入をしていないでしょうか。
―価格の見直し方
薬価の見直し方法は、3つの方法があります。
A 総価格交渉 全ての品目に対して一律に行う
B 除外品あり 一部の品目に対して、計算から除外する
C 単品価格交渉 個々の品目に対して行う
―簡単な平均の出し方
平均の出し方
納入の率が、例えば75、85、90%の場合は合計250を
個数の3で割り、83%になります。
加重平均の出し方
頻度が高い数量の薬剤に対して、数を反映させます。
例えば、外用薬の場合として
10円が、10個
20円が、20個
30円が、30個の場合
10+20+30=60/3=20は平均になります。
平均は20です。
加重平均は重量、数量をかけます。
10円×10個=100
20円×20個=400
30円×30個=900
100+400+900=1400/60=23は加重平均になります。
注)ここで注意したいのは、扱う数字の平均の大小の関係ではなく
良く出る品目を、一般の品目と同じように平均にすると
数量の少ない品目と同じ平均の値として捉えてしまいます。
従って、一般的な平均と、良く出る製品を別に算出すれば
より効果的な納入価格へ導けます。
―具体的な方法と手順
1 医薬品卸会社から薬価差表、対比表を各社ごとに貰う
2 引き下げ率の合計を出し、品目数で割り平均を出す
3 良く使用する薬剤は、数量を入れて加重平均を出す
4 各社ごとに平均値を出す
―判断基準
薬価差益は、平均8%です。
内服薬は、8、2%
注射液は、5%
消炎の外用薬は、9、1%
従って、納入価格は、91%から92%以下になることです。
これは、新薬などに該当するので、既存の製品は、それ以上の
引き下げをします。
―クリニックのメリット
クリニックの薬剤、医療材料の年間使用は多く、知らない間に仕入れのコストが増えます。
薬剤は、主に2年に1度は、改訂され薬価の引き下げがあります。
1 薬価改正後、差額を返金されていない
2 高い値段のまま、納入をしている
3 中小のクリニックで見直しをしていない
クリニックで、気がつかないと、仕切り価格のまま納入価格になり
意向が、反映されないために割り戻しが、疎かになります。
薬剤の見直しを図ることで、年間の仕入れ率が下がり
損益計算書の仕入れの減少になります。
従って、利潤へ転換を図ります。
参照引用
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10807000/000982834.pdf
Ginza@139(薬剤) 薬価見直し コスト削減
Comments